九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)を巡り、佐賀県は16日、国土交通省から求められている整備方式の「幅広い協議」の在り方に関する確認文書案を作成し、国交省に示した。与党方針のフル規格を実現するための協議ではないことを確認し、県の合意なしに方針を決定しないように求めた。

 山口祥義知事は2月定例県議会で、県側から示す確認案を国交省が受け入れれば「協議に入る」と答弁。16日、メールで受け取った国交省幹線鉄道課は「内容を精査し、できるだけ速やかに対応したい」と話した。

 確認案では、過去に合意したスーパー特急とフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の実現、リレー(対面乗り換え)方式について真(しん)摯(し)に協議するよう求める一方、フル規格とミニ新幹線の協議は、与党方針と関係なく「ゼロベースからしっかり時間をかけて行う」ことを強調した。

 県地域交流部の南里隆部長は「国側の一番の誤解は合意済みの3方式とフル規格を含む2方式の議論の時間軸の違い。そこが伝わるように書いた」と述べた。

 県の合意がない限り、フル規格やミニ新幹線で整備する方針を決定しないことや、整備に必要な環境影響評価(アセスメント)など事業化に向けた手続きをしないことも求めた。県関係者は「県は短時間でフル規格を認める状況になく、事実上、今夏の概算要求は不可能になる」とみる。

 県議会の声を反映させた箇所として、確認文書の内容が守られていないと県が判断した場合は協議を打ち切ることや、協議の前提になる条件や数字は国交省が責任を持って示し、その内容は確約することを注文した。県は「建設費などで仮定の試算を出されても駄目だということ」とする。

 県幹部は「確認案はフル前提の協議をさせない内容だが、よく読めばフルの議論を排除しない書きぶりになっていて、国交省に譲歩した。これを受け入れられないのなら、これまでの国の主張と整合性がとれない」と話す。

 山口知事と赤羽一嘉国交相は昨年10月と12月に会談、「幅広い協議」の在り方に関して事務レベルで調整を進め、確認文書を残すことで一致した。

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