青木洋介教授

 佐賀県内で初めて確認された新型コロナウイルス感染者について、青木洋介佐賀大学医学部教授(感染症学)は、海外に渡航していた期間に感染した可能性が大きいとの見方を示しつつ「県内で感染が広がっている状況ではなく、予防などこれまで通りの冷静な対応を心掛けてほしい」と呼び掛けている。青木氏の見解をまとめた。

 感染した学生はフランスに渡航していて、ウイルスの潜伏期間も考慮すると滞在中に感染した可能性が大きい。フランスは感染者が短期間に急増している傾向があり、佐賀県で生活を続けている状況に比べて感染リスクが高いだろう。今回は感染源などが全く分からずに県内で発生した状況ではないため、県内でひそかに流行していると考える必要はない。

 感染者の帰国後の行動の調査や、同行していた4人と、その友人ら近い人たちも含めて感染が広がっていないかどうかは注視する必要がある。ただ、県内で初めて感染が確認されたからと慌てるのではなく、状況を踏まえて冷静に対応するのが望ましい。

 予防などの対策もこれまで通りのやり方でよく、すぐに変える必要はない。手洗いや手のアルコール消毒を適切に行うことなどが予防には効果的だ。発熱したからといって、直ちに新型コロナウイルスが疑われるとは考えられないので、まずは様子を見てほしい。

 住民が過度に反応して社会的な混乱に拍車が掛かるのを防がなければならない。パニックになって診療が集中すると、救急患者や重症患者への対応に支障が生じるなど医療全体に深刻な影響を及ぼす恐れがある。正しい情報を共有し、リスクとうまく向き合うリスクコミュニケーションの観点からも、適切に必要な情報やメッセージの発信をしていくことが求められる。

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