卒業、修了(しゅうりょう)、おめでとうございます。誰(だれ)もほめてくれなくても、卒業も修了もあなたが毎日がんばって生きてきた積み重ねです。ごくろうさまでした!

 進学や進級を前にした気持ちを「期待と不安」と表しますが、よく考えると期待と不安はどちらも「不安」です。自分に都合が良さそうなものを期待、悪そうなものを不安と使い分けているのです。どうなるか、どうしたらいいか分からないものを前にすると、私(わたし)たちは不安を実感しますし、こわいと感じます。でも、もともと「完全に分かる」ことはあまりなく、分からないことばかりです。将来(しょうらい)のことどころか、いっしゅん先に何が起こるかも、自分がいつまで生きているのかも分かりません。みんなそうなのです。不安なのは悪いことではありませんし、今だけ不安なのでもありません。不安とはいつも付き合っているのです。ただ、何に不安なのか分からず不安感に支配(しはい)されてしまうと、不安だということも分からなくなり、冷静なつもりであり得ない間違(まちが)いをおかします。

 

 まずは不安だと認(みと)めること。そして深呼吸(しんこきゅう)でもしましょう。何が不安の元なのか、それでどうなることをおそれているのか考えてみましょう。世の中が不安で、皆(みな)が困(こま)っている時にどうすべきか、大事なことは学校で実は習っています。「自分のことだけではなくて困っている人、弱い立場にある人のことも考える」ですよね。みんなが自分のことだけ考えると大きな失敗をします。今こそ習ったことをぜひ生かしましょう。(浄土真宗本願寺派僧侶・日本思春期学会理事 古川潤哉)

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