障害者が通って農作業に取り組んでいる佐賀市大和町の就労支援事業所「スローワーク大和」が、農業の生産工程が適切に管理できていることを認証する「JGAP」を取得した。県内の福祉施設がJGAPを取るのは初めて。「スローワーク大和」は、販売する野菜に付加価値を付けて収益増につなげ、障害者に還元したいとしている。
事業所には10代から60代までの障害者25人が通っている。周辺の畑、計1・3ヘクタールで季節ごとに幅広い野菜を育て、県内のカフェなど事業所に納入している。
今回、栽培している野菜77種類についてJGAPを取得した。事業所の責任者で、NPO法人スローライフの松本康平氏は「きっちり生産工程の管理ができていると認証されたことで、食の安全をアピールすることができる」と話す。野菜のパックにJGAP取得のシールを貼ってPRしている。
JGAP取得のためには、生産する農産物の安全管理のほか、労働環境や環境への配慮なども必要となる。松本氏は「私を含め9人いるスタッフの意識も向上した。作業している障害者の安全などにもつながる」とメリットを感じている。JGAP取得には多量の書類提出が必要だが、公的な支援を受けるため既に明文化していたものも多く、通常より手間がかからなかったという。