政府は13日、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、経団連や日本商工会議所など主要経済団体に対し、今春就職予定の学生への採用内定取り消しは最大限の経営努力で回避するよう求めた。これを受け厚生労働省は実態把握に乗り出す方針を固めた。4月の入社を控え、直前の取り消しは学生へのダメージが大きいため、企業や学生に対する相談を強化しトラブル抑制につなげる。

 厚労省は全国のハローワークを通じて内定の取り消しを把握する仕組みを持っている。今春卒業予定の学生に対する新型コロナ関連での取り消しは、13日時点で1社を確認。ただ、旅行業やIT業などで取り消しがあると報じられているため、経済団体や大学などと連携して積極的に情報収集する方針だ。

 やむを得ず取り消した場合も、就職先の確保に努力し、補償要求があった場合には誠意ある対応を求める。

 新卒者への内定取り消しは2008年秋のリーマン・ショック後に大きな問題になった。09年春卒の大学、高校、中学生で、447事業所の2143人、東日本大震災発生後の11年春卒で196事業所の598人が確認されている。それ以降は減少傾向で19年春卒は23事業所の35人だった。

 加藤勝信厚労相は13日の記者会見で「合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない内定取り消しは無効となり、通常の解雇と一緒だ」と指摘。企業側に回避に向けた最大限の経営努力を要請した。【共同】

 

 佐賀大学は、就職予定の学生に対して内定取り消しがあった場合には報告するようホームページやメールを通じて呼び掛けている。これまで取り消しなどを受けた事例は確認されていない。

このエントリーをはてなブックマークに追加