とうとうと言うべきか。新型コロナウイルス感染者の発生である。きのう県内で初めて確認された。20代の大学生という。マスクがない、トイレットペーパーが不足していると混乱が続くが、ここにきて、急に身近に突きつけられたような思いの人もいよう◆学生は2月末にフランスに旅行し、今月に入って帰国。39度の発熱があり、きのう13日になって感染が確認された。ほかに同行者がおり、濃厚接触者の調査が進む。16日から学校が再開される予定だったが、見通しは厳しい。会見での山口祥義知事の苦渋の表情がそれを物語っていた◆問われているのは、恐れおののくばかりではなく、冷静に対応する力だろう。スポーツや文化イベントの中止、延期、そして縮小。経済的な影響が目に見えて広がり、市場も株価を大きく下げた。東京五輪のギリシャ国内の聖火リレーも中止という。感染終息が見通せない中で、「パニック」に陥るのが最も怖い◆過去の大災害や疫病の流行の際には、正確な情報不足から、不安、不信が生まれ、さまざまな流言と冷静さを失った行動がパニック状態を引き起こした。コロナ一色のいまはその「災中」にある◆人の歴史は感染症との闘いの歴史であり、その都度乗り越えてきた。感染者発生を冷静に受け止め、まずは予防に心を砕く。それが肝心だろう。(丸)

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