花柳三祐さん

 今月、ひな祭りを兼ねて予定していた社中の舞い初め会が、新型コロナウイルス感染予防で中止になった。それでも、ぼやくことはない。「自分では休むことができない性分で、いい休養になります」。「何事にも前向きで芸道を歩んできた師匠らしい」と弟子たちは言う。

 昭和10年生まれ。5歳の頃、親に隠れて自宅近くの演芸教室で流行歌を習い、小学4年生の時、花柳三江門下に入った。家業は仕立屋。父親は「うちにそんなカネはない」と反対したが、母親が「縫い物を増やしますから」と説き伏せた。今も母への感謝を語る。

 舞い初め会は「演歌踊り」と「古典」の2部構成の予定だった。異ジャンルのようだが、「(演歌は)演歌なりの心を打たれるところがある」と言い、日本舞踊を基礎にした振り付けを創作する。かつては青年団から余興用の踊りの指導を頼まれたこともあった。

 唐津市平野町の自宅とカルチャーセンターで教室を開く。「ちょっとしたしぐさの中に美しさが出るし、礼儀正しくなる。着物を含め、若い人にもっと日本の伝統文化に触れてほしい」。思いも新たにそう願う。     

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