在校生や来賓がいないながらも保護者からの温かい拍手の中、掲げられたメッセージを見ながら退場する卒業生たち=佐賀市の城西中

 佐賀県内の小・中学校など87校の卒業式が7日に開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在校生や来賓が出席を見合わせ、開催時間が短縮される異例の式典に。卒業生はさみしさや重苦しさを感じつつも、教職員や保護者から温かく見守られながら巣立った。

 佐賀市の城西中(江浦伸昌校長、336人)では、校長と司会役の教師を除き、出席者全員がマスク着用を義務づけられた。卒業生97人が座る位置も前後左右で約1メートルの間隔を置き、20分置きに空気の入れ替えが行われた。来賓祝辞が紙で渡されて省かれ、式の時間は通常より約30分短縮された。

 江浦校長は冒頭の式辞で「コロナウイルス感染症のため、在校生の出席をやめるなどいろいろな対策を取らざるを得なかった。ただ、式を開くことで、卒業生への思いを精一杯表現したい」と関係者に謝意を述べた。在校生代表が式で読むはずだった送辞は、動画で大型スクリーンに映し出された。

 卒業生代表の伊藤拓真さんは答辞で、野球部のメンバーが足りない状況で、1年生数人が入部して試合ができるようになったエピソードを紹介した。「後輩たちがいない式典で気付かされた。日頃から私たちを支えてくれた重要な存在だった」と、出席できなかった在校生を気遣いながら感謝の言葉を述べた。

 保護者席で式典の様子をビデオカメラに収めていた卒業生の父親(44)は「臨時休校の中で、卒業式を開くのは相当の苦労があったと思う。学校には感謝している」と話した。

 

 

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