「1日も早く終息してほしい」と話す峰松喜照さん。新型コロナウイルスの感染拡大で学校給食停止だけでなく、宴会中止が相次ぐなどして鮮魚の発注が減少しているという=鹿島市内の鮮魚店

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための一斉休校で、佐賀県内の学校給食の納入業者が苦境に立たされている。想定外の約2週間にわたる給食停止は、食材納入や牛乳、パン製造の現場を直撃、生産ラインの停止や従業員を自宅待機させるなどの対応に追われる。売り上げ減が必至の小規模の事業者からは「長期化すれば死活問題」との声が上がる。

 「出荷の約8割は学校。大きな痛手になっている」。佐賀市の福田製パン社長の福田壮一さん(52)はため息をつく。市内7つの小中学校の給食や高校の購買部に1日約4千個のパンを供給するが、休校分の収入はゼロに。食品ロスは生じていないが、材料費や人件費の支払いに苦慮している。

 別の製パン業者は約100校に卸しており「給食用は、生産の3分の1に当たる。仕方ないことだが、再開はいつになるのか」と先行きを案じた。要請があって以降、生産ライン停止やパート従業員を休ませるなどして対応している。

 鹿島市納富分で鮮魚店を営む店主で、市学校給食納入組合長の峰松喜照さん(72)は「宴会の中止などで飲食店からの発注もキャンセルが続いており、頭が痛い。とにかく早く終息してほしい」と願った。

 牛乳約3万パックを小城市や武雄市など6市3町に納品している佐賀市のメーカーは、生産量に占める給食向けの割合が1割程度で、給食停止の打撃を生産調整などで吸収するが「先が見えないのが不安」と嘆く。感染防止を考慮して外出を控える人が増えれば「消費が停滞し、価格下落になってしまうことが怖い」と懸念する。

 小規模事業者の経営に深刻な影を落とす状況になっていることについて、文科省の担当者は「給食事業者に影響が出ていることは把握しているが、具体的な対応は検討中」と述べるにとどめた。

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