卒業制作展で披露する予定だった模型を見つめる佐賀大学大学院の林田大晟さん(右)と永山貴規さん=佐賀市の佐賀大学本庄キャンパス

 卒業シーズンと新型コロナウイルスの感染拡大が重なり、卒業制作展や発表会が軒並み中止に追い込まれている。学生生活の集大成を奪われる形になり、インターネット上での発表を探ったり、卒業した後のゴールデンウイークに繰り延べたりする動きも出ている。

 佐賀大学・大学院で建築や都市デザインを学ぶ学生による卒業制作展は来週から予定されていたが、大学美術館の休館で開催できなくなった。理工学部の平瀬有人准教授(43)は「何とか発表の機会をつくりたいが、美術館は1年先まで予定が埋まっているし」と困り果てる。

 シェアオフィスの建築模型を出品する予定だった大学院2年の林田大晟さん(23)=佐賀市=は「力を入れて制作したので、多くの人に見てほしかった」と悔しがりつつ「同じ思いをしている全国の学生がSNSを使って卒業制作を発表している。私も流れに乗りたい」と切り替える。

 15日に演奏会を予定していた龍谷高吹奏楽部(佐賀市)は、ゴールデンウイークの5月2日への延期を決めた。卒業生は就職や進学で県内外に巣立っているが、当日は遠方の京都からも演奏会のために帰ってきて舞台に立つ。

 「がばい高校演劇祭」(14、15日、東与賀文化ホール)は中止になった。佐賀東高や鳥栖商業高など県内5校に加え、大阪府の精華高など県外から4校の強豪校も招く予定だった。

 佐賀東高の前演劇部部長の3年江島穂乃香さんは「みんなと一緒に舞台を踏めないのはもちろん悲しいけれど、楽しみに待ってくれていたお客さんに申し訳ない。映像では伝わらない、生の舞台の魅力を伝えたかった」と肩を落とす。

 佐賀西高吹奏楽部も佐賀市文化会館での演奏会の中止を決めた。3年の古川木綿(ゆう)さんは「やり遂げて高校生活を終えるつもりだった。家族や友人ら支えてくれた人たちに恩返しする気持ちで披露したかった」。江頭花奈(はるな)さんも「受験を終えて帰ってくる場所だったはずが、なくなって心が苦しい。今回は50周年でOB・OGの期待もあったのに」と残念がる。

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