粉引の「年輪プレート」を持つ吉田求さん。約200点の器を並べる=佐賀市の高伝寺前村岡屋ギャラリー

窯変の美が味わい深い焼締の茶香炉

 武雄市山内町宮野に桃林窯(とうりんがま)を構える吉田求(きゅう)さん(63)の作陶展。粉引(こひき)、焼締(やきしめ)の碗(わん)やカップ、皿をはじめ、土の豊かな“表情”を堪能できる約200点を展示している。

 粉引の「年輪プレート」は、木の切り株を型押しして創作。年輪の部分をサンドペーパーで磨いて凹凸を際立たせた。同じく粉引の飯碗は、シンプルな形状ながら、側面にかき落としで風が流れるような文様を施し、見込みには石目を付けたユニークさが光る。

 焼締の茶香炉は箱の中に炭や塩、貝殻などを一緒に入れて焼成し、窯変の美を引き出した。土の塊をくり抜いた蓋(ふた)物は、のこぎりの歯のような手作りのへらでくし目を入れた。緑色の織部釉の濃淡が味わい深い。

 吉田さんは磁器メーカーに造形デザイナーとして勤務した後、1991年に開窯した。「ひずみのない、左右対称の磁器製品を作っていた反動なのか、可塑性があり、表現しやすい陶器には、一つ一つに違った個性を与えたくなる。土の配合を考え、強度にもこだわった暮らしの器を楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。

 ▼佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー=電話0952(24)5556=で8日まで。

このエントリーをはてなブックマークに追加