建設中の九州新幹線長崎ルートの高架。写真左上が嬉野温泉駅方向で、写真右下が武雄温泉駅方向=2019年6月、武雄市武雄町(高度約150メートルからドローンで空撮)

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡り、佐賀県議会の自民党県議団が山口祥義知事に対し、国土交通省から要請されている「幅広い協議」に速やかに応じるよう求める申し入れを検討していることが5日、分かった。長崎ルートに関し、自民県議団が意思を形にして示すのは初めてとなる。

 自民県議団は2月29日に開いた長崎ルートのプロジェクトチーム(PT)会合で、県が「幅広い協議」に応じられる環境を整えることを確認した。そのために、県議団の意思として何らかの形で知事に申し入れることを検討すべきとの意見が出た。

 県議団は当初、決議や意見書での意思表明も検討した。一般質問の合間に断続的に開いた総会ではフル規格化に賛成、反対の議員間で議論が紛糾し、決議などは見送ることになった。代わりに、採決など議会上の手続きが必要ない申し入れや要望などの形で知事に意思表明することを確認した。定例会会期中の提出を目指し、文案を調整する。

 山口知事は一般質問で「今議会の議論を踏まえ、協議に関する考え方をまとめた『確認文書』を県側から(国交省に)示す」とし、「鉄道局が『それでいい』ということであれば協議に入ることになる」と答弁した。

 県議団では「自民党会派として意思を示す必要がある」との意見がある一方、「知事が協議入りに向けた動きを進めている中で、何かアクションを起こす意味があるのか」などの声も上がる。自民会派の県議の一人は「会派内はフル規格賛成派と反対派で分かれていて、とてもまとまる状況にない。その中で両者が何とか一致できるのが『協議入り』を申し入れること」と今回の経緯を説明した。

 山口知事と赤羽一嘉国交相は昨年12月に会談し、「幅広い協議」の在り方について事務レベルで調整を進め、確認文書を残すことで一致した。県は2月12日に国交省に質問書を送付、国交省は中一日で即答したが、県は「回答になっていない」と反発、2月定例会の議論を踏まえ、確認文書案を国に示すとしている。

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