中里太郎右衛門陶房の酒器で地酒「太閤」と「ひら田」の料理を楽しむ=KARAE

お姫様役の峯涼葉さんの横でひな祭りの童謡を演奏する佐藤和哉さん=旧大島邸

「地域の日常の中にある本物が世界を魅了する」と語る県観光課長の瀬戸要さん=KARAE

 江戸時代の御殿びなが鎮座する旧家に、平安装束のお殿様とお姫様がいっそうの彩りを添えた。唐津市の旧城下を舞台にした2月29日の「Re:からつプロジェクト」。新型コロナウイルス感染防止や雨天で一部中止したものの、和文化の情趣に浸る一日となった。 

【着物@ひなまつり】鮮やか十二単 篠笛に映え

 「唐津のひいな遊び」(8日まで)会場の一つ、旧大島邸(南城内)では来場者への“サプライズ”で、篠笛奏者で唐津観光大使の佐藤和哉さんと、一昨年のKIMONOプロジェクト着物ショーでモデルを務めた唐津東高2年峯涼葉(すずは)さん(17)がみやびやかなお内裏様姿を披露した。

 平安時代の貴族が身に着けた衣冠は呼子町の宮司八幡崇経さんから借り、お姫様の十二単(ひとえ)は京都から取り寄せた。金屛風(びょうぶ)の前に2人が並ぶと「お似合い」とため息が漏れ、佐藤さんが「では姫に一曲奏でよう」と童謡「たのしいひなまつり」を演奏した。

 3歳から日本舞踊を習い、着物を着る機会も多いという峯さんは「(十二単は)気持ちがもっと華やかになりました」。着物姿の来場者が目立ち、七五三以来という市内の岩本侑希さん(19)、千明さん(14)姉妹は着物にベレー帽を合わせるなど、若者らしく和装を楽しんでいた。

【Re:からつ夜会】地元食材と器 五感で楽しむ

 中央商店街に昨年秋オープンした「KARAE(唐重)」のモダンなカフェもこの日は和の雰囲気に。「五感で楽しむ唐津」と題し、40人が中里太郎右衛門陶房の酒器で地酒「太閤」とミシュラン一つ星に選ばれた日本料理「ひら田」の弁当、豆腐料理「かわしま」のざる豆腐を味わった。

 中止になったトークイベントに登壇予定だった県観光課長の瀬戸要さんがミニ卓話を行い、インバウンドなど最近の観光動向を解説。「地域の日常の中にある本物こそが世界を魅了する」と、地域資源としての伝統文化の重要性を語った。

 プロジェクト実行委員長の宮島清一・唐津商工会議所会頭は「着物や焼き物、お茶、能、浄瑠璃などこのまちに根付く伝統文化を楽しみながら後世に伝えていきたい」と提唱。この会場でも演奏した佐藤和哉さんは「演奏活動で各地に出向く中で、当たり前と思っていた唐津の文化の素晴らしさに気付いた」と話した。

【メモ】Re:からつプロジェクト実行委員会 城下町唐津に息づく和文化を生かしたまちづくりを提唱し、2017年度から活動する。事務局を唐津商工会議所に置き、唐津市や(公財)金子財団、唐津のれん會、佐賀新聞社などの後援、助成を受け、さまざまなイベントを開催している。

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