臨時休校のため、朝から放課後児童クラブで自習する児童=3日午前9時過ぎ、小城市の三日月小

開放された教室でドリルを使って自習する児童=3日午前8時29分、杵島郡江北町の江北小

新型コロナウイルス対策による臨時休校で、開放された学校に登校する児童=3日午前8時11分、杵島郡江北町の江北小

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、佐賀県内の小中高校・特別支援学校で3日から臨時休校が始まった。先月27日夕の全国一斉休校の首相要請後に佐賀新聞社がインターネットで行った緊急アンケートには県内外から800件を超える声が寄せられ、50・7%が「仕方がない」と受け入れつつも、28・5%が「反対」で「賛成」の20・8%を上回った。集まった声をまとめた。

 休校に伴い必要となる子どもの世話について複数回答で尋ねたところ、最多は「留守番してもらう」の33・5%で、「祖父母や親戚・知人に頼む」(21・9%)、「保護者のどちらかが仕事を休む」(14・7%)、「学童保育に預ける」(7・6%)と続き、「あてがない」と途方に暮れる声も7・1%あった。

 鳥栖市の30代女性医師は「預けるところがなく困っている。学童保育も長期休暇のみの申請のため、入れるのか不透明」と不安をつづった。「あてがない」と訴える唐津市の50代女性パート従業員は「いきなりなので対応できない。小学1年生に1人留守番はさせられない。仕事も代わりの人がいないので休めない」と困惑する。

 ひとり親家庭の状況も切実だ。介護施設に勤務する伊万里市の40代女性は「子どもを1人で留守番させるのは心配。預かってくれる身内もいない」と休業補償を要望。ひとり親で障害のある子がいるという嬉野市の30代女性パート従業員は「預け先がなく収入が途絶えると生活できない。休業補償や預け先の確保は先にしてほしかった」と訴える。

 親にとって頼みの綱である祖父母にも限界がある。小学1年の孫の世話を頼まれたという神埼市の50代男性は「私たち夫婦も仕事をしており、かわいそうだが学童保育を勧めた」と無力感をにじませる。低学年の子を持つ武雄市の40代女性会社員は「祖父母に2週間も面倒を見てもらうのは体力的にどうかと思う」と負担を案じ、自身が休むことも視野に入れている。

 さまざまな事情を抱える子どもたちを心配する声も少なくない。佐賀市の40代男性公務員は「家庭で十分な食事が提供されず給食で栄養を摂る子ども、家族から暴力を受けている子どもなど、要請が実施された場合こぼれ落ちそうな子どもへの配慮が必要」と指摘する。

 今回の要請では保育所や幼稚園を対象外としており、政府は放課後児童クラブも原則開所とするよう各都道府県に通知した。これを歓迎する声もある一方、「休校」の効果に疑問の声も。神埼市の教育委員を務める60代男性は「子ども同士の密着度から言えば、保育園や幼稚園、学童保育の方が感染拡大の危険が大きい」と指摘。嬉野市の30代女性看護師は「休校ではなく、学校や保育園で手洗い・うがいを徹底するなど、予防対策や定期的な検査に力を入れた方がいいのでは」と提案する。

 また要請では対象外となっていても、通常とは異なる対応を取る保育所などもあり、影響が広がっている。神埼市の30代女性は「保育士の確保が困難で延長保育は中止になった。せきや鼻水などの症状があれば登園を受け付けないとのこと。うちの子は身体が強くないから…」と不安を吐露する。

 学業への影響に対する懸念もある。受験生の子を持つ佐賀市の40代女性は休校を「仕方がない」としつつも「ニュースが先に出て、高校入試や卒業式はどうなるのかと不安しかない」と事前の調整不足に苦言を呈す。武雄市の50代男性教員は「未履修の内容が発生し、進級後に前年度の学習をしなければならない。ただでさえ余裕なくギリギリで終わらせている学年があるのに、児童生徒はもちろん教師の負担も大きい」と現場の困惑ぶりを訴える。

 高校生自身からも疑問の声が。鹿島市の男子高校生は10代以下の感染例が少ないことを指摘し「インフルエンザのように状況次第で学級・学校閉鎖が決まるならまだしも、全国一斉の休校要請には首をかしげざるを得ない」と批判。県外の高校3年女子は「先生に質問や相談ができずとても困る。大学入試で人生が懸かっているのに…。大事な時期を奪わないで」と悲痛な声を寄せた。

 

■首相の臨時休校要請についての意見

・もっと早い決断が必要だったのでは。何か無難な時期を選んだ印象。また急で親御さんが大変なのでは。(佐賀市・60代男性)
・数ある施策の中で臨時休校も感染拡大抑止の一つと思うが、いまなぜ臨時休校が必要なのか、ほかにやるべき重要なことがあるのではと思う。国民が納得いくように根拠など説明していただきたい。(佐賀市・50代男性)
・メディアは反対意見しかださないが代案があるなら聞いてみたい(佐賀市・30代男性)
・臨時休校するならば、もっと早く判断すべきだったと思います。それ以前に、まず入国規制を早くすべきでした。3月頭は、小中高校の卒業式や入試に被る時期なので、せめて各自治体判断の方が良かったと思います。(唐津市・30代男性)
・行動が後手になっている(鳥栖市・50代男性)
・10代以下の感染例はまだほとんどまく、また高齢者や基礎疾患を有する人でなければほとんど通常の風邪と変わらないのが今回のウイルス。そうした観点から見ると、インフルエンザのように状況判断で学級・学校閉鎖が決まるならまだしも、全国一斉の休校をという要請には首をかしげざるをえない。また各自治体側も、本来対等であるはずの国との関係性を再確認し、あくまでそれぞれの自治体の状況に即した判断をしてほしい。(鹿島市・10代男性)
・判断が遅すぎた。説明と対策の不足。(佐賀市・40代男性)
・臨時休校については、被害拡大を防ぐためにもやむを得ない事だと思うが詳しい事は何も聞かされず突然休校というのはビックリ。我が家には今年中学3年生の子供がいるが、受験はどうなるのか?卒業式はどうなるのかと不安だらけです(佐賀市・40代女性)
・酷くなる前にもっときっちりとした計画を立てるべきだと私は思います。コロナウィルスが日本に上陸する前に海外からの入国を拒否するべきではなかったのかと私は思います。(鳥栖市・20代男性)

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