激しい雨の影響で浸水した順天堂病院周辺。佐賀鉄工所から流出した油が広範囲に広がった=昨年8月29日、杵島郡大町町福母(ドローンで空撮)

 昨年8月末の記録的豪雨で、佐賀鉄工所大町工場から大量の油が流出した事故から半年。当時の工場内の様子が少しずつ分かってきた。工場建屋に設置していた水の流入を防ぐ重量シャッター3台のうち、油槽がある建物とつながっている東側の重量シャッターが一時開いたままになっていた。

 鉄工所は油の流出量を約5万4千リットルと推定。町は油が約100ヘクタールにわたって広がり、住宅約200戸、農地41・3ヘクタールに被害が出たとしている

 鉄工所によると、建屋の北側と西側のシャッターは、水の流入を防ぐため、豪雨発生の前日に当たる27日の夕方ごろに閉めていた。ただ、東側のシャッターについては「これまでの経験上、東側から水が入ってきていなかった」(担当者)として、翌28日午前7時45分ごろに閉めたという。午前5時ごろに油槽からの油流出を確認していた。担当者は「東側のシャッターからも油が流出していることは間違いないが、東側を閉めていたとしても流出はしていたのではないか」と話している。

 一方、油被害の補償は現在も続いている。鉄工所は、収穫ができなかった農家の農作物に対する補償については「ほぼ支払いを終えた」としている。住宅補償についても、おおむね支払いを終えているという。

 農家に対する補償を巡っては、昨年11月末に見舞金として補償額が提示され、手続きを進めていた。農機具も自己負担分の一部を見舞金として補償する方針で、協議を進めている。住宅の補償については、昨年10月末の説明会で補償額が提示され、鉄工所が個別に各世帯を訪問していた。

 商工業者にも補償を進めている。鉄工所によると、油被害を受けた商工業者は約60軒。JR佐世保線北側の商工業者約50軒は被害規模に応じて3段階の見舞金を支払う。同線南側10軒には、油の被害が大きかったため、個別に補償内容を交渉している。

 補償の総額については「まだ合意が得られていない方もいるため未確定だが、数億円規模に上る見通し」という。

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