マスク姿で卒業式に臨んだ生徒たち。後ろに座る保護者もマスクを着用した=佐賀市の佐賀工業高校

教室で卒業証書を受け取る生徒たち。マスクを着用して予防に努めた=鹿島市の鹿島高校

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大が懸念される中、佐賀県内のほとんどの高校で1日、卒業式が開かれた。各校では在校生の参加を取りやめたり、来賓のあいさつを割愛したりして接触の機会を減らし、式典の時間を短縮するなど工夫。参加者にマスクの着用や出入り口でのアルコール消毒を呼び掛け、警戒しながらの異例の門出となった。

 「マスクの着用と、消毒液の利用をお願いします」。全日制、定時制合わせて286人が巣立った佐賀市の佐賀工業高。式典前の諸注意で、携帯電話のマナーモード設定に加え、司会者が感染防止の取り組みを呼び掛けた。本来一人一人に手渡す卒業証書を代表1人に授与する形に切り替えるなどして、例年は2時間近くかかる式典を1時間弱に短縮した。物々しい雰囲気にも、夫婦で参列した会社員の男性(42)=佐賀市=は「こういう状況なので、適切な対応だと思う」と理解を示した。

 小城市の小城高は、生徒や保護者の座席の間隔をいつもより広げた。在校生の参加も縮減し、2年生236人の参加予定だったが、生徒会と吹奏楽部の約30人のみが出席した。卒業生はマスクなしで登壇した。

 小城高2年の土師想菜(はじここな)さん(17)は「先輩と会う最後の場に出られず悲しいと友達が言っていた。代表で出るからには、みんなの分まで感謝を伝えたい」と送辞を読み上げた。鹿島市の鹿島高の卒業生、香田有佐さん(18)は「進路はばらばらになる。今回のことで式ができなかったかもしれないと思うと、みんなが集まることができてよかった」と話した。

 2月27日に安倍晋三首相が全国一斉の臨時休校を求め、28日に県が対応方針をまとめるなど状況がめまぐるしく変化し、ぎりぎりまで対応をどうするか苦慮した学校もあった。当初、「例年通り」としていた唐津東高(唐津市)は28日に在校生の参加を見送った。

 県が式典の参加者を「極力少なく」するよう要請していたため、保護者の出席を制限する動きもあった。保護者の入場を1人までとしていた県東部の高校では、わが子の晴れ姿を見ようと、会場の外から窓越しに見守る保護者の姿もあったという。

 この日は県立高35校、私立高5校で卒業式が行われた。

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