武雄市で災害ごみの受け入れが始まり、水没した家財などが次々と運び込まれた=2019年8月29日、同市朝日町の杵藤クリーンセンター跡地

 佐賀豪雨では大量の災害ごみが発生した。武雄市は発災翌日の昨年8月29日、朝日町の杵藤クリーンセンター跡地に集積場を開設したが、持ち込む車で大渋滞となり、急きょ北方町にも増設した。新たな集積場はすぐに満杯になり、30日から3日連続で新設、閉鎖を繰り返した。被災者は混乱した。

 「春から集積場の選定を進めていたが、決定できずにいたところで豪雨が発生し、十分な対応ができなかった」と山口泰光・武雄市まちづくり部理事。自治体は水害や地震を想定して、災害ごみをどこに集めるかを決めておく必要がある。「被災地域に近い場所にすることや、満杯後の対応も想定しながら第二、第三の候補地まで考えることが重要」という。

 武雄市と同様に浸水被害に見舞われた杵島郡大町町で集積場運営にあたった古賀壯・生活環境課長は「集積場選定には、においの問題や、大型トラックや重機が入ることなど、いろんな想定が大切」と教訓を語る。

 同町は当初設けたボタ山公園が斜面の一部崩落で使えなくなり、町の中心部にある町民グラウンドに変更せざるを得なかった。災害ごみは独特の異臭を放つ。グラウンドは民家に囲まれており、早期の撤去が命題になった。撤去の際には大型トラックが通行、道路周辺の住宅に振動の影響が無かったかを確認する補償調査も必要になった。撤去後はグラウンドの表土を入れ替えた。ごみの量は1789トンに上った。

 集積場運営でも課題がみえた。「被災者に分別の種別など方法を知ってもらい、徹底すること」と古賀課長。集積場を開設する時に十分に人を割いて厳しく指導しないと、適当に置かれてしまう。泥と木くずなどが一緒に入った袋が持ち込まれることも多かった。

 武雄市も同様で、産廃なので持ち込みを断りたい石こうボードや断熱材、さらに灯油などの油類や農薬、消火器、タイヤなどの扱いに腐心した。

 「被災者は疲れているし、気も立っている。現場で断ることは難しかった」と振り返り、「持ち込めない物や分別の種別などを回収を始める時にもっと詳細に周知すべきだった。住民の協力は不可欠で、その後の作業量も変わる」と痛感している。

 集まったごみの搬出にも留意点がある。分別の種類ごとにどこに搬出するのかを把握しておくことや、処理効率を高める大型の破砕機を借りることだ。「まずは事前に(連携先を)把握し、できれば協定を結んでおきたい」(大町町)、「畳を破砕せずにそのまま持ち込める処理場もあり、随分助かった」(武雄市)など、搬出作業でも教訓は多い。

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