臨時休校について協議した鳥栖市の臨時校長会。県内各市町では政府からの臨時休校の要請への対応に追われた=鳥栖市役所

 「方針が決まるのに朝までかかった」。安倍晋三首相が全国の小中高校や特別支援学校の一斉休校を要請した発表から一夜明けた28日、佐賀県内の学校現場や自治体などは対応に追われた。学校には朝から保護者からの電話が鳴り、対応などを決める各市町の協議は夕方まで続くなど、関係者は「唐突な要請」に振り回された。

 28日早朝。伊万里市の小学校では電話が鳴り止まなかった。午前7時。「現時点では何も決まっておりません。個別の問い合わせはお控えください」とメールを送った。「上からくる情報は少ない。でも、保護者からはどんどん電話がくる」。県や市の方針が不明な状況で対応に追われた教頭はこうこぼした。

 27日夕に急きょ決定した全国一律の「臨時休校」。同日夜には、県市町教育長会連合会会長で武雄市教委の浦郷究教育長に市町の教育長から電話が相次いだ。「保護者が不安がっている」「宿題などの対応もある」。浦郷教育長は県教委に「3月2日までは登校」という考えを提案、やり取りは深夜にまで及んだ。

 市町に方針を示す立場の県教委は、文部科学省からの通知が届かない状況に気をもんだ。県教委幹部は「夜通しではなかったけど、結局決まるのに今朝までかかった」と明かす。知事部局とのすり合わせも「朝からお互い調整してバタバタとやった」と関係者。午前9時に予定された県幹部会議は2度、時間を変更して開かれ、最終的に市町教委に方針が通知されたのは午後5時ごろだった。

 鳥栖市で臨時校長会が開かれるなど各自治体も午前中から協議を重ね、休校の期間を調整していた。ただ、県からの通知が来るよりも先に決定し、県の方針を受けて変更する自治体も。休校の期間を「3~24日」と発表した伊万里市教委は、他市町の動向を調べ、慌てて15日までに変更するなど、対応は夕方まで続いた。

 放課後に児童を預かる学童保育にも影響が及ぶ。藤津郡太良町では、スタッフの確保に奔走して休校中は開設時間の延長を決めた。本年度の登録利用者に限ってスタートするが「新規の受付はニーズがあれば柔軟に対応したい」。ただ、多くの子どもを預かることになれば「感染予防につながらない」と対策に頭を悩ませる。

 武雄市教委は支援員の確保を懸念する。普段勤務する支援員に時間の延長を確認するとともに「学校の生活支援員、休みになる給食の調理師に手を広げることになるかもしれない」。利用登録がない児童の受け入れも行うが「利用料はどうするのか…」と話した。

臨時休校に関する山口知事と落合教育長の会見(2020年2月28日)
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