練習に汗を流す生徒たち。高校野球は3月下旬から春の県大会を控えており、対応が注目される=佐賀市の北陵高

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は28日、全国の小中高校などに一斉休校を要請するとともに、部活動の自粛も求める方針を示した。これを受け、県教委は部活動に関して「全ての活動を行わないこと」と現場に求めた。大会を目前に控えた部活動もあり、関係者は感染拡大の思わぬ余波に戸惑い、対応に苦慮している。(取材班)

 高校の部活動は3月、インターハイ、国体と並ぶ「三大大会」の全国高校選抜大会が集中開催される。だが28日には柔道、卓球、ソフトボールなどの中止が新たに決まり、自粛ムードが広がる。県高体連の堤啓剛理事長は「全国大会での実績は、進学や就職など子どもたちの進路にも影響する。早く終息することを願うしかない」。

 テニス女子団体の佐賀商は、3月20~26日に福岡県で開かれる全国選抜大会の出場権を初めて獲得した。白武稔康監督は「部活の自粛には従う。全員で練習できないのは痛い」と落胆。いまのところ中止の決定はされていないが、大会の開催は流動的で、「なくなるかもしれない中、大会に向けて気持ちもうまくつくれないと思う」と気をもむ。

 県中体連は今週末から3月上旬に行う予定だった強化練習会の中止を決定。3年後の国民スポーツ大会「SAGA2023」に向けたもので、剣道や卓球、空手など6競技を予定していた。山下晃二理事長は「子どもたちが練習したいのはやまやまだが、安全を考えたら仕方がない」と話した。

 県内の中学で剣道を指導する30代男性教員は、休校中は部活ができないため、家の周りを走るなど、自宅でできるトレーニングをするよう指示した。練習ができないことを残念がり、ライバルに差をつけられるのではないかと不安に思っている生徒もいたという。「夏に向けて成長する時期。これからどうなるのか不安が残る」と懸念を示した。

 高校野球は臨時休校期間中の3月8日に対外試合が解禁されるが、佐賀市の北陵高の吉丸信監督は「これから練習試合のキャンセルを連絡しないと」と語った。3月21日から春の県大会が開幕する予定で、部員の一人は「実戦ができない中、試合を迎えるのは不安」と表情を曇らせた。

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