被災当日から水川大町町長が取っていた災害対応を記録した大小のメモ。「緊急放送 各戸訪問指示」などの文言が並ぶ

 昨年8月28日未明、佐賀県中西部を襲った記録的大雨。杵島郡大町町では午前3時からの3時間雨量が220ミリを超え、浸水被害は300件を超えた。加えて佐賀鉄工所からは油が流出、甚大な被害が広がった。発災当日の役場の状況を振り返る。

 「浸水、油流出、ぼた山の崩落、さらに排水ポンプの停止。6時間の間に四つの重大事が次々に起き、息つく間もなく対応を迫られた」。災害対応の陣頭指揮を執った水川一哉町長は振り返る。総務課の職員も「一つひとつのことを振り返る余裕もないまま次々に事案が発生した。何をしているのか分からなかった」というほど混乱した。

 27日に大雨警報が出たことを受け、役場には職員2人が泊まって警戒していた。雨は28日午前3時ごろから豪雨に急変。職員は3時45分に町長に状況を伝えた。

■出勤できず

 4時に災害対策本部を設置。まず課長級の職員を招集したが、「冠水していて車では出勤できない」という連絡もきた。既に10人ほど来ていた職員には、町内を回って状況把握するよう指示。5時20分ごろには「水が入ってベッドが浮いている」などの電話も入った。5時40分、町内全域に避難指示を出して避難所3カ所を設置。5時50分には気象庁が大雨特別警報を発令した。

 6時25分ごろ、町を回っていた職員から下潟地区の浸水が報告された。同じころ町建設業協会に災害出動を要請したが、各地で冠水していて、多くの業者は動けない状況だった。水川町長は「発災を実感した」という。

 浸水の把握や避難所対応などで騒然となっていた役場に6時50分、「佐賀鉄工所から油が出ている」と町民から電話が入った。鉄工所に確認しようとしたが「担当者が対応に追われて不在」の返答。職員に現場に向かうよう指示した。

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