安倍晋三首相によって全国の小中高校や特別支援学校に臨時休校を要請する方針が突然示された27日、佐賀県内でも学校関係者や保護者、生徒らに衝撃が走った。「あり得ない」「誰が子どもの面倒を見るのか」。唐突な全国一律の対応に、戸惑いや落胆、不満の声が上がった。

 県立高校の一般選抜が3月4~5日に予定されている。受験を控える神埼郡吉野ヶ里町の女子中学生(15)は「卒業式がないかもしれないと思うと気持ちがなえる。友達とも『悲しすぎて勉強が手につかない』と連絡を取り合っている」と落ち込む。

 週明けには子どもの自宅待機が迫られる。小学生2人の子どもがいる佐賀市の共働きの団体職員女性(47)は「祖父母に預けるにしても、長期間になると体力が持たない。子どもだけの留守番になるかも」と気をもむ。伊万里市の小学生の母親(45)は「県内で感染者が確認されていない段階で休校して何の意味があるのだろう。一律の対応には納得できない」と不満をにじませる。

 学校現場にも波紋が広がる。唐津市内の中学校では職員室に残っていた教員が驚きの表情を浮かべ、「卒業式の準備を進めてきたのに」と落胆の声も漏れた。休校になれば自宅学習が必要となるが、鳥栖市内の小学校の校長は「教材の準備が全くできていない」と戸惑う。

 県教育委員会の久保山善生副教育長は「情報がなく、(国から)来るのを待って対応を考えるしかない」。県立高校の入試などは「変更の可能性がないわけではない」と言及した。

 武雄市の小松政市長は「唐突で困惑している。共働きやひとり親家庭で自分の親などに子どもを預けられない人はどうなるのか。要請に応じるとすれば、低学年の子どもや障がいのある子どもを含めて受け皿をつくる必要がある。学校を開放して預かるなどの対応をしなければならないと考えている」と話した。

 学童保育の運営支援などを行うNPO法人佐賀県放課後児童クラブ連絡会の石橋裕子理事長は「仕事を休むことが困難な親もいて、誰が子どもたちの面倒を見るのか。家で子どもだけにさせないための方策も考えて」と訴えた。(取材班)

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