佐賀豪雨で浸水して動けなくなった車。今回、「車で移動中」に被害に遭って犠牲になった人もいた=昨年8月28日、武雄市武雄町の国道34号

 昨年8月28日未明に県内を襲った記録的大雨。武雄市では激流に車が流されて2人が命を失った。佐賀市内では70代女性の車が水路に転落、意識不明の重体となるなど、「車での移動中」に被害に遭ったとみられる事案が相次いだ。昨年、東日本に記録的大雨をもたらした台風19号でも、犠牲者の3割近くが車での移動中だったとみられる。こうした被害を防ぐために必要なことを専門家に聞いた。

 武雄市武雄町では、小川があふれて激流となり、車2台が流された。1台は道路脇の水田に流されて天井まで水に漬かり、男性が溺死した。もう1台は水田を越えて武雄川まで流され、乗っていた女性は杵島郡大町町の六角川で遺体で見つかった。佐賀市水ヶ江では水路に車が転落、運転していた女性は意識不明の重体の状態が続いている。当時、現場周辺の道路は冠水していたという。

 日本自動車連盟(JAF)によると、大雨・集中豪雨時には不要不急の外出と運転は控えるべきとしている。視界や見通しが悪く危険度が増すためで、冠水する前など雨の降り始めでの早めの避難を呼び掛けている。

 やむを得ず車で移動する場合は、周囲より低い道路や冠水している道路は避けるよう促している。地下道や鉄道などの下を通過する道路は低い位置にあり、水がたまりやすく短時間で水位が上昇する懸念がある。

 水深が5~10センチ程度でも、走行中に巻き上げた水をエンジンが吸い込んで、破損につながる可能性もある。JAFによると、昨年8月末の豪雨で県内での車両の冠水や水没関連の救援要請は、28、29日の両日で600件に上ったという。

 また、水面下の様子は分かりにくく脱輪する可能性もある。佐賀市内では街中に多くの水路があり、豪雨当日は冠水の影響で、水路と道路との区別が付かない場所も多く見られた。

 万一、車が冠水して車内に閉じ込められた場合は、車内と外との水位の差が小さくなった時がドアにかかる水圧が小さくなり、車から脱出するタイミングとしている。しかし、JAFは「脱出できる可能性が高まるだけで、必ずしも確実に開けられるとは限らない」と話しており、脱出用の「ガラス割りハンマー」や「シートベルトカッター」などの脱出時に使える道具を車内に常備することを呼び掛けている。

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