新型コロナウイルスの検査法

 新型コロナウイルスの検査能力について、政府はこれまで1日最大約3800件と説明してきたが、加藤勝信厚生労働相の26日の国会答弁によると、実績は2月18~24日に総計6300件、1日平均約900件と、想定の4分の1にとどまることが判明した。検体の採取や搬送に伴う困難や、地方では人手や設備の不足が背景にある。

 検査はPCR法と呼ばれ、のどを綿棒でこすって採取した粘液や、たんに含まれるウイルス特有の遺伝子配列を専用の装置で増幅して検出する。厚労省は、専用装置を備える国立感染症研究所や地方衛生研究所、民間への委託件数を足し合わせて約3800件の検査が可能と説明している。

 病院の医師や入院患者に感染者が出た和歌山県では、平常時の検査能力は1日40件。今回は検査対象が470人余りに上り、1人につき複数の検体もあったため、大阪府などの助けを借りても終了まで2週間かかったという。関係者は「技術者の数は少なくフル回転だった」と振り返る。

 岩手県の担当者は「装置は1台しかない。今後どれくらいの検体が入ってくるか分からず、不安だ」と打ち明ける。

 東京都内の民間検査会社によると、運送会社が検体の搬送を拒否する場合があるという。大手運送会社の担当者は「危険物や不衛生な物品は運べないと約款で決まっているので、検体搬送の依頼があったら断っている」と話す。

 日本医師会の釜萢敏(かまやち・さとし)常任理事は「検体採取にはしぶきが飛び散るなど、かなりの危険が伴い、十分な感染予防対策が必要だ。ほかの検査をやっている中で人手の確保が課題だ」と、検査数が増えない事情を話す。【共同】

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