2月のショーで軽やかなアクションを見せたはハルレンジャー=佐賀市呉服元町の656広場

 赤と黄色のスーツに身を包み、軽やかなアクションを見せる「太陽戦士!ハルレンジャー」。演じるのは思斉館中学部2年の藤井陽斗(はると)さん(14)=佐賀市久保田町。発達障害があるが「憧れのヒーローショーに出てみたい」と、父親の文夫さん(45)や通っている学習支援団体のサポートを受けて夢を実現した。文夫さんは「苦手なことにも前向きになり、目標に向かうようになった」とその成長ぶりに目を細める。

 陽斗さんは生まれた直後に呼吸をしておらず、くも膜下出血を発症した。集中治療室に入って手術は成功したが、後遺症で会話の内容を理解したり、文章を考えたりするのに時間がかかる学習障害がある。

 幼い頃から、陽斗さんの将来の夢は仮面ライダーになること。「敵を倒すところが好き」。小学6年の時、ライダーが実際に変身していないことを父親から知らされ「ショックだった」と振り返る。ただ、どうしても夢を諦められず、ヒーローショーに出演する役者「スーツアクター」に憧れた。

 陽斗さんが通う佐賀市の学習支援団体「green book」が、夢を後押しする。地域で開かれるいじめ撲滅を訴えるショーに陽斗さんを出演させるなど、発表の場を設けてきた。

 衣装はすべて文夫さんの手作り。鳥をイメージしたという4代目の衣装は、仕事の合間を縫って2カ月ほどで完成させた。文夫さんは「100円ショップのクッションシートを使ったり、周りにアドバイスをもらったり、試行錯誤してきた」と振り返る。

 ご当地ヒーロー「なつレンジャー」として活動する佐賀市職員の夏秋俊男さん(42)に相談し、声出しや立ち姿、アクションのアドバイスを受けた。昨年から兵隊役で出演し、同11月には初めてヒーローとしてデビューを果たした。

 2月9日には佐賀市の656広場で、なつレンジャーや食育戦士Gウマカバンと共演。約100人の親子連れの前でショーを披露した。陽斗さんは「子どもたちが声援を送ってくれた。レンジャーになると気合が入って自信が出てくる」と充実感をにじませる。

 次の目標は「学校の文化祭でショーをすること」。友人に呼び掛けると、2人の仲間が集まった。陽斗さんは「速いアクションはまだ難しい。練習を頑張って、ショーを続けていきたい」と真っすぐに夢を追い掛ける。

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