4月に米国の国連ロビーで歌を披露する「平和の旅へ」合唱団・さがのメンバーたち=神埼市の明正寺

 5年に1回開催される核不拡散条約(NPT)の運用状況を検討する国際会議が今春、米ニューヨークで開かれる。会議に合わせ、長崎と佐賀などの市民合唱団「平和の旅へ」合唱団が、長崎で被爆した女性の半生を描いた組曲を国連本部で披露し、平和へのメッセージを世界へ発信する。

 2018年11月に長崎市で開かれた「地球市民集会ナガサキ」で、国内外の軍縮専門家などの前で同曲を披露したのがきっかけだった。平和活動家のキャサリン・サリバンさんが感銘を受け、国連での演奏を実現しようとかけ合ったという。合唱団は会議の開幕日の4月27日にニューヨークの国連ロビーで各国の要人や国連職員らの前で歌うほか、米国の高校でも披露する。

 合唱組曲「平和の旅へ」は、故渡辺千恵子さん(1993年没)の証言を基に1985年に地元の音楽家が制作した。渡辺さんは16歳で被爆して半身不随となって苦しむも、語り部として核兵器の廃絶を訴えてきた。組曲は、8曲の合唱と語りを合わせ約30分。

 合唱団は総勢約110人で、佐賀からは8人が参加する。佐賀の合唱団は、「佐賀のうたごえ協議会」の会長松田さえ子さん(64)=神埼市=が長崎の合唱団による演奏を聞いたことがきっかけで、2001年に結成。県内外の小中学校での公演など約20人で活動を続ける。

 佐賀の合唱団は演奏会への機運を高めようと県内各地でもコンサートを開いている。松田さんは被爆した語り部が高齢化していくなかで、「千恵子さんの半生を歌うことで、語り部としての役割を果たしたい」と意気込みを話す。

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