鳥栖-川崎 後半、相手FKに体を張って守る鳥栖の選手たち=川崎市の等々力陸上競技場(撮影・米倉義房)

 浴びたシュートは19本。鳥栖は劣勢に耐え、強豪・川崎に萎縮することなく立ち向かった。今季掲げる「攻撃的サッカー」は最後まで封じられたが、大きな勝ち点1と経験を得た。

 「試合を見に来た人の9割は川崎が勝つと思っている。相手は技術が高いが、球際や走ることでは必ず上回ろう」。金明輝(キン・ミョンヒ)監督はそう言ってイレブンをピッチに送り出した。

 採用したシステムは、チーム始動から取り組んできた4-3-3の攻撃的なスタイル。「システムを変え、守りにいく考え方もあった。ただ僕は、選手にやってきたことをトライさせたかった」と指揮官は振り返った。

 序盤こそ高い位置でボールを奪って攻撃につなげたが、徐々に相手の巧みなパスワークに翻弄(ほんろう)されて押し込まれる展開に。それでも全員が最後まで足を止めず、ぎりぎりのところで体を張ってゴールを割らせなかった。

 キャプテンマークを巻いたGK高丘陽平は「ルヴァン杯・札幌戦で3失点し、無失点で抑えることがテーマの一つだった」と守備陣の奮闘をたたえつつ、一方で「攻撃に移る時のボールのつなぎ方はまだまだ」と厳しい表情で語った。

 終始押されたが、川崎相手に真っ向勝負を挑んだからこそ得られたものがある。指揮官は「チームとしての、個人としての今の立ち位置が、トライしたことで分かった。すごくいい経験になった」。シーズンは始まったばかり。開幕戦の激闘でつかんだ勝ち点1が、発展途上のチームを成長させる。

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