「今夜、星が出てるな。あしたきっと天気だろ」。イカサマをする時は天気の話が合図だった。和田誠監督の映画「麻雀放浪記」(1984年)。俳優高品格(たかしなかく)さん演じる「出目徳」が仲間と組んで役満の天和(てんほう)をあがる◆天和は親の時に、14牌(はい)の配牌時に役が完成している状態で、確率は33万分の1という。毎日のようにマージャンをして生涯に1度遭遇するかどうかである。だが、出目徳は平然と「あさってもきっと天気だ」と連続の天和を仕組む◆当方も学生時代にバイトをしていたホテルで、そこの支配人が仕込むマージャンのイカサマを見たことがある。本当かどうか、ルーレットの台を操作し客から金を巻き上げたとも話していた。ホテルは廃業したが、劇画のようなギャンブラーがいる怖さを知った◆こんな話を書いたのは、競艇の元選手が八百長容疑で逮捕される事件が起きたからだ。競艇は6艇で競い、内側の1コースが有利とされる。だが、元選手は1コースでありながら、わざと減速して順位を下げ、親族が賭けた高配当の舟券を的中させていた◆ネットで購入できる手軽さやタレントのCMで人気を盛り返す公営ギャンブル。カジノを含むリゾート施設(IR)汚職が取り沙汰される中、まさかの八百長である。真剣に再発防止に取り組まないとイメージ悪化は避けられない。(丸)

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