マウスを製作した佐賀工高の生徒と谷岡稔真さん(前列左)。前列右は山田成仙教諭=佐賀市の佐賀大

贈られた改良マウスを使用する谷岡稔真さん=佐賀市の佐賀大

 佐賀市の佐賀工高電子情報科の生徒が、脳性まひを患い、体が不自由な研究者のために、パソコンの情報入力に使うマウスを製作した。顎だけで操作できるマウスの改良版で、使いやすさを追求。佐賀大で研究を続ける谷岡稔真さん(37)=太宰府市=に届けた。

 谷岡さんは工学博士で、現在、音声認識を用いたパソコン操作と文字入力について研究している。脳性まひで四肢を自由に動かせないため、顎でレバーを操作する電動車いすに乗り、学会発表など多忙な日々を送る。

 マウスは同校の山田成仙(しげのり)教諭(56)が佐賀大の院生だった2010年、同じクラスで学ぶ谷岡さんを含めた5人で共同開発した。可動部分が摩耗し動きが悪くなったため、改良を兼ね、課題研究の授業で山田教諭の指導の下、生徒が製作した。

 改良マウスは、画面上のマウスポインターを動かすほか、クリックやスクロールアップなど五つの機能を搭載した。顎だけでできるよう工夫されている。

 改良点として「ワンチップマイコンを用いたことでアップデートできるようになった。回路も簡単になり、見た目も仕組みもシンプルになった」と山田教諭。アップデートで機能を変更でき、本人の希望に幅広く対応できるようになったという。

 製作した3年生9人は昨年5月に谷岡さんと面会し、改善点を探った。改良には学校で学んだ基礎だけでは足りず、さらなる学習が必要で、山田教諭と相談を重ね、試行錯誤して完成させた。

 7日に佐賀大の谷岡さんを訪ね、贈呈した。リーダーの光安望未(のぞみ)さんは「谷岡さんの使いやすさを考えて作った。正しい配線や、はんだ付けが難しかった」と振り返った。谷岡さんは「生徒らの気持ちがうれしい。大切に使っていきたい」と早速、改良マウスを使い、研究に取り掛かっていた。

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