「風流踊」を構成する踊り

 国の文化審議会は19日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録を目指す国内候補に、全国各地に伝わる豊作祈願や死者供養の踊り「風流踊(ふりゅうおどり)」を選んだ。盆踊りや念仏踊りなどとして伝承された23都府県の37件をまとめて一つの遺産とみなし、3月末までに政府がユネスコに申請書を提出。2022年11月ごろのユネスコ政府間委員会で登録可否が審査される見通しだ。

 風流踊は、華やかに着飾った人々が笛や太鼓の演奏、歌に合わせて踊る民俗芸能。日本三大盆踊りに数えられる秋田県の「西(にし)馬音内(もない)の盆踊」や岐阜県の「郡上踊」のほか、香川県の「綾子踊」、09年に単独で無形文化遺産に登録された神奈川県の「チャッキラコ」などが含まれる。文化庁によると、当初候補のリストに上がっていた「武雄の荒踊」は地元の意向で一括登録申請から外れた。

 文化審議会は「時代に応じて変化しながら伝承され、地域社会の核の役割を果たしている。災害の多い日本で、被災地の復興の精神的基盤にもなっている」と評価。共通の特徴を持つ全国の踊りをグループ化することで、意義をよりアピールできると判断した。

 風流踊を選定した19日の会合後、無形文化遺産部会長の岩崎まさみ北海学園大客員教授は「所在が広域にまたがり、保存・継承の態勢も各地で異なっている。登録に向けて態勢をしっかり確立してほしい」と話した。

 風流踊のほか「諸鈍芝居(しょどんしばや)」(鹿児島)、「多良間の豊年祭」(沖縄)、「木造彫刻修理」の3件も検討したが、申請への準備が十分でないとして見送った。

 風流踊を構成する37件は、国の重要無形民俗文化財に指定済みか、近く指定予定。ユネスコへは、既に単独で登録されたチャッキラコの「拡張」という形で申請する。

 日本の無形文化遺産は、歌舞伎や能楽、和食など21件。今年秋には政府が昨年申請した「伝統建築工匠の技」が審査される。ユネスコの登録審査は毎年実施されるが、登録件数の少ない国が優先されるため、次に日本の候補が審査されるのは2年後となる見通し。【共同】

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