新型コロナウイルスの感染が国内で拡大している。感染症学が専門の佐賀大学医学部の青木洋介教授に、現状や今後の対策の在り方を聞いた。

 新型コロナウイルスの現状は、封じ込められる可能性がある段階と、封じ込められない段階の間にある。2009年に流行した新型インフルエンザは最初に若い世代が感染したが、今回は高齢者に多い。インフルエンザと比べると、重症化する人はやや多い印象がある。今後どのような感染症になるか分からず、感染対策に20年程度関わってきたが、初めてのタイプだ。

 予防にはアルコール消毒がある。備えられている消毒液を手に塗るだけではだめで、手のひらや指の間、手首などまんべんなくこすり合わせる。乾くまで30秒ほど続ける。手洗いの後に濡れたままだと効果が薄まるので、完全に乾いてから使う。微生物学の観点からは、手に付いてる菌やウイルスを殺す効果はアルコール消毒の方が石けんでの手洗いよりずっと大きい。

 マスクの買い占めは控えるべき。現在は、いつ自分がかかるか分からないという状況ではない。本当に必要になった時に不足すると困るだろう。マスクの着用は必要な時だけするのが望ましい。外すときに人の飛沫(ひまつ)が手に付く恐れもあり、マスクでさえ感染源になりうる。

 新型コロナウイルスがメディアでも多く取り上げられているが、過度に恐れないでほしい。情報は多くなるほど混乱するので基本的なことを知っておく必要がある。パニックにならないために、正しい情報が伝わることが大切だ。

 集会やイベントの開催はただちに中止にする状況ではないかもしれないが、そのような動きも散見されている。現時点では、会場での参加者の緊密度なども踏まえて開催可否を判断することになるのではないだろうか。

 今後は、短い期間で感染者数が急増する事態を避けなければならない。一般医療に支障を及ぼす恐れがあり、少しずつ増える方が混乱を押さえられる。感染が拡大しても、増加を緩やかにする方策が求められる。

このエントリーをはてなブックマークに追加