佐賀城下ひなまつりが開幕し、佐賀錦で着飾ったひな人形が並ぶ会場=佐賀市松原の旧福田家(撮影・鶴澤弘樹)

 佐賀市中心部を舞台に開かれている「佐賀城下ひなまつり」(3月22日まで)は今年で20回目を迎えた。春の風物詩として県内外から毎年約10万人が訪れる。旧長崎街道の町並みや鍋島家ゆかりのひな人形など「本物」を売りにしながら、親子連れを引きつける目新しい企画との両立に向けて試行錯誤を続けている。

 佐賀市内で個別に開かれていたひな人形の展示をまとめてPRしようと、2001年に始まった。鍋島家ゆかりの品のほか、伝統の鍋島小紋、佐賀錦をまとった人形など佐賀ならではの展示がある。旧長崎街道沿いの柳町や松原などを主会場に、市中心部の商店でもひな人形を展示するなどまち全体で盛り上げている。

 来場者数は5年目の2005年に10万人を突破。徐々に企画のマンネリ化などで減少し、週末の天候不順が重なった09年には5万人台に落ち込んだ。その後、町ぐるみでの週末イベントが増え、13年以降は10万人台をキープしている。

 経済波及効果は、ピーク時の13年は11億6千万円。その後は県外客の落ち込みなどで増減を繰り返し、昨年は8億4千万円になっている。ターゲットとする福岡からの集客が課題になっている。

 鍋島家ゆかりの品を並べる徴古館ではほぼ毎年、目玉の展示がある。今年は宮家から拝領したバナナやあさりなどを再現した象牙細工を特別展示した。さいたま市から訪れた森田まり子さん(44)は「ひな人形コレクターの間でも、今年は展示数が多く『絶対見に行かなきゃよ』と聞いていた。最高の品物ばかり」と話し、本物志向のファンを魅了している。

 市は、来場者数の増加に向け30~40代の親子向けに企画を展開する。昨年は1985年から販売される動物のドールハウス「シルバニアファミリー」の企画展を開き、幼少期に遊んだ30代を呼び込んだ。今年はサンリオのキャラクター・マイメロディを「観光親善大使」に起用している。

 来場者に周遊してもらうのも、まちの観光資源をアピールするカギになる。3月1、22日にはひなまつり会場一体をすごろくの「人生ゲーム」に見立てた体験型イベントを行い、34施設・店舗が参加する。

 市観光振興課は「ひな人形で佐賀の魅力を伝えながら、親子連れにも来場してもらう企画には頭を悩ませるが、バルーンフェスタのように育てていきたい」と話している。

 

■来場者の声 佐賀ならではの展示評価

 佐賀新聞社では大学生のインターンシップ(就業体験)の一環として、佐賀城下ひなまつり会場で来場者の感想を聞いた。佐賀ならではの展示や柳町周辺の町並みを評価する声がある一方で、「もっとPRした方がいい」など周知への指摘もあった。

 徴古館(松原)、旧古賀銀行(柳町)、佐賀城本丸歴史館(城内)、656広場(呉服元町)で20~70代の男女20人に、ひなまつりの魅力や改善点を聞いた。

 展示では、徴古館の企画展が好評だった。太宰府市の50代女性は「鍋島家のひな人形は迫力があり、象牙細工がすてきだった」。熊本県の70代男性は「素晴らしかった。象牙細工もすごい」と笑顔を見せた。

 偶然立ち寄ったという熊本市の30代男性は「古い町並みの雰囲気が良かった」。佐賀市の50代女性は「マイメロの企画展が良かった。キャラクターの旗も街にたくさんあって楽しげ」と話した。

 一方で複数の人が「展示が素晴らしいのにPRが足りてないのが残念」「もっと情報を得られればいいのだけど…」「毎年のテーマや目玉をもっと宣伝してほしい」など、周知への課題を挙げた。

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