各チームの主力がしのぎを削る最終日のスタート区間でレースを引っ張る小城市の溝田槙悟(右手前)=24区

 追いかけてくるチームはない。「本当に感無量だった」。福岡の高校で陸上指導者になるために今回がラストランとなる主将の堤渉(ひらまつ病院)は、アンカーを任された喜びをかみしめながらビクトリーロードを突き進んだ。小城市は最終日も圧倒的な強さで8連覇を達成。これまで一度も成し遂げられなかった3連続日間賞の「完全優勝」で花を添えた。

 前半こそ鳥栖市に首位を譲ったが、後半スタートを担ったワークナー・デレセ(同)が高校生のトップランナーたちを引き離し、貫禄を見せつけた。その後は完全な一人旅。野田正一郎監督は「みんなが大会に調子を合わせて、誰一人失敗がなかった。上出来すぎる大会」と最大級の賛辞を送った。

 小城市は2011年に初優勝。13年から連覇を続けて平成最後に黄金時代を築き、令和最初の大会でも王者に輝いた。だが60回の大会の歴史を振り返ると、下位に沈んでいた時期が大半だ。

 当時からチームに携わる野田監督は「(弱かった頃を)みんな忘れているだろうな」と笑う。そして「そんな時期があったからこそ、小城市民の方もいっぱい応援してくれる」と力を込める。

 チームの主力を担うひらまつ病院は、ニューイヤー駅伝に3年連続で出場を果たした。駅伝に対する選手の意識や心構えも高まり、総合力が増した。他チームがうらやむ選手層になった分、メンバー入りの競争は激しくなった。それでも、堤はこう言う。「走れない選手も、荷物持ちや付き添いなど走る選手を全力でサポートしている。小城の一番の強みは仲がいいこと」

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