「春は名のみの風の寒さや-」。早春賦の歌と違い、今年は暖冬傾向にあるようだ。とはいえ、立春を迎えても外の風はまだ冷たい。そんな中、春の訪れを感じる取材が続いた。

 まずは浜玉町の玉島川でシロウオ漁の「簗掛(やなか)け」。産卵のために遡上する習性を生かした伝統の漁法だ。

 「玉島川しろうおの会」が竹とすだれを材料に、手際よく作業を進めていた。カメラ越しからも川の水の冷たさが伝わってくる。取れたシロウオは地元の料理店で躍り食いや天ぷらで楽しめると聞き、味を想像すると一瞬寒さも忘れた。

 後日、同町各所で「しだれ梅」が見頃を迎えていると聞いて足を運ぶ。横田上の有須田房枝さん(89)宅には見事な枝ぶりのしだれ梅が一面に咲き誇っていた。一番古くて樹齢117年と聞き驚く。手入れも大変でしょう、と尋ねるも笑顔で取材に答える有須田さんに、こちらの心もほころぶ。また、平原の吉村さん宅でも樹齢100年ほどの古木に淡いピンクの花がたくさん咲いていた。多忙な日常の中に、確かな季節の移ろいを感じた。(唐津支社・成富禎倫)

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