男子68キロ級決勝で、鈴木リカルド(左)に敗れた浜田康弘=岐阜県羽島市(共同通信)

 怒濤(どとう)の追い上げも実らなかった。テコンドー男子68キロ級決勝で敗れた濱田康弘は「負けてすぐは真っ白な状態だった」と悔しさをにじませた。2016年リオデジャネイロ五輪でも代表を逃した経験がある。1ポイント差で最後は必死に右足を伸ばしたが、執念は実らず再び天を仰いだ。

 1―6と5ポイントをリードされて迎えた最終第3ラウンド。状況は厳しく見えたが、濱田は巻き返しの可能性を捨てていなかった。

 開始30秒で中段蹴りがヒット。反則も誘って4―6まで詰め寄った。ここで狙ったのは、一挙に4ポイントを奪える胴への回転蹴り。「これで決まらなければもうだめだ」と繰り出した一撃は相手を捉えたかに思えたが、得点にはならなかった。1ポイント差に迫り、残り0・66秒。最後の中段蹴りも空を切った。

 リオ五輪選考会で優勝したが、当時の選考方式にあった敗者復活戦でまさかの敗退。それから4年間、自分の体や心と向き合い、国内外で経験を積み重ねてきた。「自分らしい試合はできたし、全力も出し切った。ただ、相手の方が(運を)持っていた」。濱田は静かに現実を受け止めていた。

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