三養基郡基山町長選は現職の松田一也氏が、新人で前町議会副議長の久保山義明氏を引き離し、地力の差を見せつける形になった。

 選挙戦になる見通しになったのが、告示1カ月前だったとはいえ、町内の各種団体の推薦を受けるなど組織的な戦いを積み上げていった。1期目の実績に加え、九州経済産業局や副町長時代の行政経験も前面に出したことが、安定感を印象づけることにつながった。

 久保山氏は若手有志の要請で出馬した経緯もあり、若年層の支持を広げた。勢いをつけ「互角の戦い」との観測もあったが、「町を二分するべきでない」と、動きを否定的に捉える声も年配者を中心に根強かった。1968年の町長選で保守系候補同士が激突し、長くしこりが残ったことを知る世代だ。陣営幹部は「『二分するな』とプレッシャーをかけられた関係者も多かったようだ」と振り返る。

 首長もなり手不足で、有権者が意思を表示する機会さえ与えられない自治体が増えている。今回の町長選は、歓迎する声も多かった。松田氏は4千票余りの「批判票」を突き付けられ、政治手法を省みる姿勢を見せている。実際に変化が見られるのか、町民は注視している。

このエントリーをはてなブックマークに追加