子宮には子宮頸がんと子宮体がんの2種類のがんができます。昭和の終わり頃には、子宮頸がんが圧倒的に多くを占めていたのですが、今では体がんの方が頸がんより多くなりました。その原因として、食事の欧米化や少子化が考えられます。

 昔の女性は妊娠・出産・授乳の繰り返しで無月経の期間が長かったのですが、現代の女性は月経の回数が随分多くなっていて女性ホルモンの一種「エストロゲン」が多く分泌される高エストロゲン状態になっています。またエストロゲンは脂肪からもつくられるため肥満のリスクも高めます。

 体がんは頸がんよりも高い年齢で閉経前後の方に多く見られます。初期の症状として不正出血や帯下の異常があるのですが、閉経前後は月経が不規則になることもあり、不正出血と思わず月経と思って気に留めずにいる方も少なくありません。

 子宮体がんになった方に、「いつ閉経しましたか?」と尋ねても「さあ、わかりません」と答えられることが多いのです。女性は月経で慣れているためか出血に対して意外と寛容です。もし男性が尿道から出血したら、慌てて泌尿器科に行かれるのではないでしょうか。

 ちょっとおかしいなと思ったら、検診を兼ねて産婦人科を受診されることをお勧めします。経腟エコーで、内膜の厚さを見て必要なら子宮体がんの検査を行います。

 体がんは原則として、子宮を摘出し、子宮の筋肉にどれくらいがん細胞が浸潤しているか、周囲のリンパ節に転移があるかなどで進行期を決めます。

 また、がん組織の種類によっても悪性度が違います。

 体がんの中でエストロゲンと関係のないタイプの場合には、遺伝的に素因のある方もあります。身内に体がん、大腸がんが多い方は気をつけましょう。(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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