「枠組みから外れたくらいが面白い」

 

 舞台「NODA・MAP」(野田秀樹演出)や、椎名林檎、星野源のミュージックビデオなどの振付で知られる振付家の井手茂太さん。「東京五輪音頭−2020−」の振付も担当し、踊り方ビデオでは浴衣にねじりはちまきで自ら踊りを披露しています。さまざまなジャンルで活躍する井手さんが昨年11月、生まれ故郷の武雄市でコンテンポラリーダンスのワークショップを開催。帰郷した井手さんに、ダンスやふるさと佐賀に対する思いを聞きました。

―今回のワークショップで参加者に求めることは?
 自分が考えるダンスには、基本的に細かな決まり事がありません。みんながきれいにそろって踊っているより、枠組みから外れたくらいが面白い。その方が、一人一人のカラーが見えますよね。今回も、参加者に技術的なものを要求するつもりはありません。みなさんとコミュニケーションを取りながら、その人ならではのダンスを引き出したいと思っています。もっとダンスの概念を広げて、それぞれが魅力や面白さを発見してもらえればうれしいですね。

―佐賀の人の印象は?
 以前も佐賀でダンスのワークショップを行いましたが、昔から佐賀は勉学を重視しているお国柄ということもあり、勤勉で真面目な気質の人が多い印象があります。ちょっぴりシャイな人が多くて、ダンスにもそれが表れていますね。自分から進んで面白いことをやる、「私が一人で踊ってみる!」みたいな人が出てきたら、もっといいかなと思います。

武雄市文化会館で開かれたワークショップの様子。型にはまらないダンス指導で、参加者たちの個性を引き出す

―佐賀で今後やりたいことは?
 何度か九州でワークショップをやっていますが、自分のやり方だけが正しいダンスではありません。コンテンポラリーダンスにはいろいろな人の踊り方、人それぞれのカラーがあります。ダンサーに限らず、佐賀にもっと色んなアーティストを呼んで、多彩な文化にふれてもらう機会を作れたらいいですね。

―佐賀の若者にメッセージを
 たとえば自分のように芸術の世界を目指している人は、あまり周りばかりを気にしないでほしい。自分がちょっと変わっていると感じていても、他にも変わり者はたくさんいる。自分がやりたいことをやり続けていれば、いつか夢につながると思います。


PROFILE

 

いで・しげひろ ■1972年生まれ、武雄市出身。91年にダンスカンパニー「イデビアン・クルー」を結成、95年に旗揚げ公演を行う。カンパニーでの作品発表に加え、さまざまなアーティストへの振付や演劇作品のステージングで高い評価を受ける。2004年、第11回読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞。

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