陸自ヘリ墜落から5日で2年。たそがれに染まる事故現場周辺の麦畑。日常の風景が戻っている=4日午後、神埼市千代田町嘉納

 神埼市千代田町の住宅に陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)所属のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、隊員ら3人が死傷した事故から、5日で2年を迎えた。防衛省は昨年9月に事故を巡る調査結果を公表したが、事故に絡んだ職員らの処分はなく、陸自の捜査機関「警務隊」や警察の捜査が続いている。捜査結果が関係者の処分やメーカー側への賠償請求の行方を左右するとみられるが、責任の所在が見えない中、防衛省は近く目達原駐屯地での同型機の飛行再開時期を関係自治体に説明する見通しだ。

 「事故調は原因の究明と再発防止。責任は今後の捜査で明らかになる」。防衛省が調査結果を発表した昨年9月に都内で開かれた会見。事故調査委員会の委員長を務めた竹本竜司陸上幕僚副長は、メーカーに賠償を求める考えがあるかを問われ、こう述べた。

 調査結果には主回転翼を固定する「メインローターヘッド」のボルトの破断原因として、「搭載前の亀裂」と「さび止めの薬剤の劣化による異常作動」の二つが併記された。その上で点検、保管要領を見直す再発防止策が盛り込まれた。元航空自衛隊航空事故調査部長の永冨信吉氏は「他の同型機の事故の事例を全てチェックし、推測し得る限りの原因を一つ一つ検証した上で、可能性があるとして残ったのがこの二つだったのでは」と推察する。

 陸上幕僚監部によると、現在までに事故の責任を取って処分された幹部や職員はいない。陸幕は「まだ捜査は継続中。(処分は)責任の所在が明らかになった時点で、必要に応じて判断される」と説明する。

 捜査関係者によると、捜査には警察庁科学警察研究所(科警研)も加わっている。部品の材質なども含め慎重に調べており、結論が出るまで当分かかるとされている。

 国内の陸自の同型機は事故機を含め13機で、事故後は運用停止となっていたが、昨年11月に三重県伊勢市の陸自明野駐屯地で飛行を再開している。目達原駐屯地での飛行再開時期に関して防衛省は、佐賀県に早ければ19日開会予定の定例県議会前に説明するとみられ、関係市町にも理解を求める見込み。

 ヘリは18年2月5日午後4時43分、定期整備後の試験飛行中に墜落、住宅が全焼した。隊員2人が死亡し、家にいた小学生の女児(当時)がけがをした。

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