ひびの子育て

 園生活の中で、子どもたちはたくさんのことを学んでいます。特に学んでいるなと感じる場面は、先生対子どもたちの時よりも「子ども対子ども」、つまり子ども同士で遊んでいる時です。意見が食い違って言い合ったり、せっかく作ったブロックを壊されたり、子どもたちの中だけのゲームのルールがあったりします。大人が提供できない学びを、子ども同士であれば学べることがたくさんあります。

 大人や先生たちは、子どもが作ったブロックを壊すことはありませんし、ゲームのルールには平等性やみんなが理解しやすいものを選びます。しかし、子どもたち同士ではそうはいきません。ある意味、残酷な部分もあります。けんかもするし、仲間はずれもあります。時には物を壊されることも。大人や先生が配慮することでは感じないことを、子ども同士ではたくさん感じることができます。

 そのようなことから子どもたちは社会を学び、課題を乗り越える力を得ていきます。授業中や大人が整備してくれるわけではない学校の帰り道、放課後などで、人間関係を学んだり社会性を学んだりしています。それが生きる力にそのままつながっていくこともあります。

 米の発達心理学者・エリクソンは「学童期には友達同士で学び合い、遊び合うことがとても重要で、学童期に必要な『勤勉性』を身につけられる」と説きました。よく遊ぶ子はよく学ぶ子に育ちます。吉田松陰は「志さえ立たせることができれば、人生そのものが学問に変わり、あとは生徒が勝手に学んでくれる」と言いました。よく遊ぶことで、自分は何に興味があるのか、どんなことを楽しいと感じ、どんなことを幸せと感じ、どんなことに能力や才能があり、友達よりどんなことが劣っていて優れているのか、自分という人間をよく知ることができます。

 自分自身が成すべきこと、やりたいことが見つかれば、松蔭が言うように後から学問、知識はついてくるものだと私も信じています。「親」という漢字は、「木」に「立って」「見る」という作りになっています。大人が少し離れたところから一歩引いて、子どもを見守り、子どもの自立を促していくことも大切なことですね。(パパ記者・吉村直記=おへそグループ統括園長)

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