唐津地区保護司会の研修会で依存症について説明し、唐津に回復支援拠点をつくる構想への協力を求めた佐賀ダルクの菊池武宏さん=昨年12月、唐津市民会館

 薬物依存症などの回復支援施設を唐津に設置しようと模索する動きが始まっている。NPO法人佐賀ダルク(佐賀市)のスタッフの菊池武宏さん(43)が取り組み、唐津市内で定期的に依存症の相談窓口を設けている。地区保護司会などにも協力を呼び掛け、佐賀市に次ぐ県内2カ所目の支援拠点の開設を目指す。

 警察庁の統計によると、2018年度の覚醒剤事犯で、再犯者の割合は全国で66・1%。依存症は欲求のコントロールが難しくなる慢性疾患で、継続的な支援や援助が必要になる。

 ダルクは全国に約70団体あり、入所者が励まし合いながら回復を目指す支援施設を運営する。県内では佐賀市に1カ所ある。

 佐賀ダルクは、6年前から薬物事犯を対象に佐賀保護観察所が実施している薬物再乱用防止プログラムに参加している。菊池さんは、その活動の中で「拠点設置の必要性を感じた」といい、昨年5月ごろから唐津市で定期的に依存症の相談窓口を開設し、行政などから相談を受けている。

 「身近に支援拠点があれば、保護観察所でのプログラム終了後も自助グループなどにつながりやすい。相談もしやすくなって回復の支援も受けやすくなる」と、唐津での常設の拠点づくりに向けて、協力者や理解者を増やそうとしている。

 昨年12月には、唐津地区保護司会が市内で開いた研修会で「ダルクは相談できる居場所。立ち直り、生き直す場をつくりたい」と約60人に呼び掛けた。

 質疑では保護司の一人が「努力や根性の問題ではないのに『頑張れ、薬をやめろ』と言いたくなる。どう対応すればいいか」と悩みを打ち明けた。菊池さんは、不安や体調不良が薬物使用の欲求につながりやすいとして「味方がいると思えることが大事。『何か悩んでいない?』と声を掛けて」とアドバイスをした。

 唐津地区保護司会の末永康生会長(70)は「『唐津にも回復の場を』と言ってくれるのは素直にありがたい。薬物依存に悩む当事者が犯罪を繰り返さなくて済むように、できる限りの応援をしたい」と話す。問い合わせは「からつだるく」、電話0955(67)4264。

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