戦国武将の人となりが知りたいと歴史小説などを手に取る。読み進めるうちに脚色された人物像ではなく、素顔に迫りたいという欲が出てくる。だが、いかんせん書状などに書かれた文字はさっぱり読めない◆そこで信長の家臣で秀吉にも仕えた太田牛一(おおたぎゅういち)の「信長公記(しんちょうこうき)」や、信長をはじめ多くの武将と面識のあった宣教師ルイス・フロイスが書いた「日本史」をめくる。慶長15(1610)年ごろに書かれた「信長公記」は牛一自ら「あったことを除かず、無かったことはつけ加えていない」と述べており、信頼度の高い史料との評価がある◆その「信長公記」には信長が踊りの興行で小鼓を打ち、女踊りをするちゃめっ気のある様子や、山中で雨露に打たれている乞食(こじき)のために村の者を集めて木綿20反を与え、「小屋を造ってやり、餓死しないように情けをかけてやってほしい」と告げるなど意外な一面を紹介している◆では、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公である明智光秀はどんな人物だったのか。「日本史」には「忍耐力に富み、計略と策謀の達人」「築城のことに造詣が深く、優れた建築手腕の持ち主」などの記述があるほか、謎深い本能寺の変にも触れている◆大河には斎藤道三、松永久秀らくせのある武将も登場。当時の文献を併せて読むと戦国の世が見えてきて面白い。(丸)

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