「決してのぞいてはいけませんよ」と言われれば、ますます見たくなるのが悲しい人のさがである。だが、のぞこうとしてもどうすればいいか分からない。その代表格がスマホの機能ではなかろうか◆そんな気持ちを代弁するような句が今年の第一生命保険「サラリーマン川柳」の入選作に並んでいた。世間についていけない中年男性の哀感が漂う。〈おじさんはスマホ使えずキャッシュです〉。同じような人がいるものだとほっとする◆こんな川柳も。〈アレクサは何科の草か孫に聞き〉。そもそも「アレクサ」の意味が分からず慌てて調べる羽目に。音声で家電などを操作することで「アレクサ、何か音楽かけて」などと話しかけると曲が流れる。AI(人工知能)の身近な機能のひとつである◆今年の川柳で注目したのは作者のペンネーム。おじさん世代の人の作品は親近感がわく。〈マイホーム今や二人でシェアハウス〉還暦亭主。子どもが巣立ち夫婦2人、部屋をシェアして互いの空間を確保する。〈家族ラインいつになったら既読つく〉スルーされ続ける父。既読がないと不安になる◆男性に比べ、女性は好奇心が強く、新しいものをいち早く使いこなす順応性がある。女性が長生きする理由だろう。これからは言うことを聞いて生きていこう。〈欲しいのは100年安心 妻の愛〉。(丸)

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加