ラジオにゲスト出演した上戸恵美さん=佐賀市のNBCラジオ佐賀

米国・ロサンゼルスで開催された「ザ・テラー」の試写会で、右から上戸恵美さん、プロデューサー兼脚本家のTony Tost(トニー・トスト)さん、俳優の田邊和也さん

 カナダ・バンクーバーを拠点に、米国などで女優として活躍している太良町出身の上戸(かみと)恵美さん(36)が一時帰国し、10日放送のNBCラジオ佐賀「ただいま、ラジオ。」にゲスト出演した。その後、佐賀新聞社の取材に応じ、渡米した経緯や海外で女優活動を始めるまでの苦労、これからの展望などを語った。

 上戸さんは現在、アマゾンプライムで配信中の米ドラマ「ザ・テラー 不名誉」に出演中。同ドラマは米国の日系人収容所を舞台にしたホラーで、上戸さんは収容されているナース・ハセガワ役で出演している。

 上戸さんが海外を意識し始めたのは高校時代。インドの交換留学を経験したことがきっかけだった。海外で学びたいとの思いが強まり、高校卒業後、留学準備のための専門学校に進学したが、経済的な理由から留学を断念。「経済的なことを理由に諦めるのではなく、働き口を探せば渡米できる」と、働きながら米国で暮らす道を模索し渡米した。その後は、ディズニー関連の施設やクルーズ船で働き、米国で過ごす中で自然と女優として活躍したいという思いが湧いてきたという。

 2年後、米国の演劇学校に通う資金を得るため帰国。2年間働き、米国の短大に入学した。しかし卒業後はアーティストビザを得るためオーディションを受け続けるものの、思っていたように仕事が得られず、同じ時期に最愛の父も亡くした。「自己嫌悪に陥った。ネガティブな感情しか湧いてこなかった」と上戸さんは当時を振り返る。

 その後、上戸さんは「ハリウッドノース」と表現されるほど映画製作が盛んなバンクーバーへの移住を決意。インディーズ映画に出演するなど活躍の場を広げ、永住権を取得した。現在は、女優活動をしながら、映画やドラマの日本語コーチや通訳、書道を習った経験を生かし、セットや小道具製作の裏方としても活躍している。

 「これまで悔しく、苦しい思いをたくさんしてきたが、今仕事ができることで、これまでの経験は今のためにあったのだと気づいた。つらいこと、悩むことがたくさんあっても、絶対どうにかできる。突き抜けてほしいし、決して諦めないでほしい」と自身を振り返り、夢を抱く人にエールを送った。

 上戸さんは、日本でも知名度がある映画やドラマにレギュラー出演する女優を目指す。また、「何か一つのことを極めるのではなく、人生やりたいことをやりたい」と佐賀の魅力を海外に積極的に伝える活動も模索している。「帰国する度に佐賀に対する愛着が増している。もっと佐賀をPRしたい」とバンクーバーでは「県人会」の創立も計画している。

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