中国・上海からの搭乗客の体温を測定するサーモグラフィー(手前)=佐賀市川副町の佐賀空港

 新型コロナウイルスによる肺炎拡大で、中国政府が海外への団体旅行を禁止した27日、佐賀県内でも宿泊や観光の予約キャンセルが出るなど影響が広がった。

 西松浦郡有田町の有田ポーセリンパークでは、中国のクルーズ船が佐世保市への寄港を中止したことに伴い、団体客が予約を取り消した。定員40人程度のバスで28日に10台、29日に54台を見込んでいた担当者は「実数は分からないが、影響は出る」と推し量った。

 嬉野温泉観光協会によると、春節(旧正月)は例年観光客が増えるが、団体に加えて個人のキャンセルが発生している。池田榮一会長は宿泊客の減少を懸念しつつ「感染拡大も心配だった。ほっとした部分もある」と複雑な思いを口にした。

 佐賀市の佐賀玉屋は、春節に売り上げが伸びる化粧品の販売について「個人客にも渡航制限が出れば影響が及ぶだろう」と話した。

 県は27日に情報連絡室を設置した。会議では龍谷高2年生65人が、2月に予定していたタイ・バンコクへの修学旅行を中止したことが報告された。「タイでも患者が増えている」と学校側が判断した措置で、国内に切り替える予定。

 春秋航空の上海、西安便が到着した佐賀空港(佐賀市川副町)では、福岡検疫所の出張所の検疫官が搭乗者約150人の体温をサーモグラフィーで測り、健康状態に注意するように促すカードを配布した。

 観光で訪れた中国人のファン・シンイさん(23)は「手洗いやマスク、アルコール消毒をして気をつけたい」と話した。中国に帰国する両親を見送った留学生のトウ・ハク・アイさん(26)=福岡市=は「本当は一緒に帰る予定だったけれど、いま帰ると日本に戻れなくなる」と表情を曇らせた。

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