定期検査中の四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)でトラブルが相次いでいる。25日には「ほぼ全ての電源が一時的に喪失」する事態が発生。17日には運転を差し止める広島高裁の仮処分決定が出ており、営業運転再開の時期は見通せない。四国電は27日、長井啓介社長が県庁に中村時広知事らを訪ねて改めて謝罪する方針だ。

 3号機は25日午後、発電所内が一時停電。非常用ディーゼル発電機が起動するなどして約10秒後に復旧した。外部への放射性物質の漏えいはなく、四国電は定検の全作業を当面見合わせると明らかにした。

 2018年10月に再稼働した3号機は昨年12月に定期検査のため停止。今月12日には、原子炉容器上部で燃料固定装置を引き上げようとした際に制御棒1体が誤って一緒に引き抜かれるトラブルがあった。20日には使用済み核燃料プール内の燃料をクレーンで移動させた際、燃料落下を示す信号が発信された。実際に落下はなく、点検装置に正しく挿入されなかったためとみられるが、県は四国電に厳重注意していた。県は25日の停電を受け「厳重注意より厳しい対応になる」とした。

 司法判断でも逆風が吹いた。広島高裁は17日、50キロ圏に住む山口県東部の三つの島の住民3人が申し立てた仮処分の即時抗告審で、運転を認めない決定をした。運転禁止の期間は、山口地裁岩国支部で係争中の差し止め訴訟の判決言い渡しまでとした。四国電は決定直後「速やかに不服を申し立てる」としていたが、25日の会見では「申し立ての準備をしている」と述べるにとどめた。【共同】

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