大学院生に絵付けを解説する十五代酒井田柿右衛門さん(右)=有田町の柿右衛門窯

 福岡市の九州産業大で講師を務める十五代酒井田柿右衛門さんの演習が23日、有田町で開かれた。同大学院芸術研究科博士前期課程の1年生4人が、欧州の磁器にも影響を与えた「柿右衛門様式」の伝統技術について見識を深めた。

 柿右衛門さんは2012年度から講師を担っており、演習は今月21~23日に開催。院生は同大で2日間、色絵磁器の絵付けや絵の具の調整など制作方法の説明を受けた後、最終日に同町の柿右衛門窯や県立九州陶磁文化館で研さんを積んだ。

 柿右衛門窯では、歴代の作品や成形する細工場、絵付けを施す絵書座、窯場を柿右衛門さんの解説で見学。江戸期の乳白色の生地「濁手(にごしで)」復元など、歴史を紡ぐために心血を注いだ歴代の思いを学んだ。

 柿右衛門さんは「絵付けの立体の型紙は、技術の高い職人にしかできない」「薪(まき)で焚(た)く薪窯は窯を作ったり、焚いたりする職人の後継者がいなくなっている。技術をどう維持していくかが課題」と伝統工芸を取り巻く環境にも触れた。

 絵画専攻の於保彩花さんは「模写を体験した後に作品や制作現場を見ると、見方が変わってより魅力を感じた。自分の作品も線の一つ一つに気持ちを入れて取り組みたい」と刺激を受けていた。

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