ブロック賞を受賞した「さがクリークネット」。たくさんの水路が残る佐賀の中心市街地に船着き場を作り、水辺へアクセスできるようにした=2015年7月、佐賀市

街なかの水路を歩き、環境を見直すイベントで、自ら胴長を着て活動する「さがクリークネット」代表の川崎康広さん=佐賀市の松原川

 佐賀独特の風土の中で築かれたインフラであり、豊かな文化を培ってきた水路網「クリーク」。2015年に発足した任意団体「さがクリークネット」は、地域の誇れる土木遺産としてその活用と保全活動を通し、まちづくりに取り組んでいる。

 コンセプトは「暮らす」「使う」「維持する」。現在では失われてしまった船着き場を再建してカヤックや和船の乗船体験を催したり、マルシェ(市場)や上映会を開いたり。学生や会社員、公務員ら約30人が楽しみながら活動している。

 ヒントにするのは佐賀市と同様に干拓地が広がり「水の都」として有名なオランダ。運河が暮らしに溶け込み、観光やレジャーでも活用されている。18年から19年にかけて佐賀県内で開かれた肥前さが幕末維新博覧会では水辺に親しむ催しを数多く開き、盛り上げに一役買った。

 川底や護岸の清掃にも取り組み、昨年11月に開いた清掃イベントでは、世界で深刻化する海洋プラスチック問題への理解を深めるなど、学びの場にもなっている。

 戦後から高度経済成長期にかけ、土地利用による埋め立てや自家用車の普及、道路網の発達によって、いつしか日常の「裏側」となっていったクリーク。「そこに再び光を当てる」という思いが、活動の原動力となっている。

 さがクリークネット会長の川﨑康広さん(36)=佐賀市=は「佐賀でしかできない、地域の資源を生かす取り組みが評価されたのでは。佐賀のクリークが全国的に知られるきっかけになる」と受賞を歓迎した。今後は「全ての水路網を私たちだけで保全するのは難しい。よりたくさんの人に水辺を楽しんでもらう仕掛けをしたい」と意気込む。

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