漫画家の長谷川町子さん(多久市生まれ、1992年死去)が30日で生誕100年を迎える。代表作の主人公と同様、本人も「サザエさん」と呼ばれ、親しまれた。節目の年に記念館の開館や銅像建立、作品の復刊など、回顧企画がめじろ押しだ。

 長谷川さんの漫画を展示する「長谷川町子記念館」が4月14日、自宅があった東京都世田谷区に開館する。「長谷川町子美術館」の分館で、両館はすぐ近くに。開館記念の企画展「長谷川町子の漫画創作秘話」も6月28日まで開かれる。

 美術館は長谷川さんが集めた絵画などを主に展示してきた。だが漫画目当てで訪れる人も多く、生誕100年を機に漫画中心の記念館を新設することにしたという。学芸員の相沢弘子さん(39)は「代表作のみならず、さまざまな作品を紹介し、町子の全体像を伝えていきたい」と訴える。

 仲良し家族の愉快な日常を描いた「サザエさん」。長谷川さん自身は独身だったが、母や姉、妹親子と暮らし、にぎやかな毎日を送った。

 美術館の川口淳二館長(74)は長谷川さんの作品を出版していた「姉妹社」(93年解散)の元社員だ。シャイな半面、いたずら好きでもあったと笑って故人をしのんだ。「犬の置物のお尻の下に(ふんに見立てて)甘納豆を置くなど、そういった部分がありました」

 長谷川さんは、故郷福岡市の海岸を歩きながらサザエさんのアイデアを練った。登場人物に海産物の名前が付いたのは、そのためだ。発案の地である同市早良区の「磯野広場」にサザエさんらの銅像を建てるため、目標900万円の寄付金集めも進んでいる。

 近くの西南学院大前には既に長谷川さんとサザエさんの銅像がある。まちづくり推進協議会の会長として計画を進める同大の大杉晋介事務長(62)は「町子先生と福岡との関わりを知ってほしいとの思いが大きい。地域の皆で盛り上げたい」と力を込める。

 朝日新聞出版は、姉妹社の解散後に入手困難となっていた漫画サザエさんのオリジナル版を復刊。単行本全68巻を毎月3巻ずつ刊行していく。担当編集者の山田京子さん(41)は「多くの読者から復刊希望がありました。昭和の生活史として重要な作品だと思います」と語った。【共同】

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