塩浜工業側から現金を受け取ったことに関し、神妙な面持ちで記者団の質問に答える東松浦郡玄海町の脇山伸太郎町長=23日午後1時26分、町役場

 玄海町長現金受領を巡る経過

 九州電力玄海原発を抱える自治体トップが「迷惑をかけた」と頭を下げた。建設業者から100万円を受け取っていた東松浦郡玄海町の脇山伸太郎町長(63)。23日の会見で現金受領の経緯や理由に関する質問に神妙な面持ちで答えた。あまりに露骨な現金工作に関係者からは、旧態依然とした「原子力ムラ」の一面を指摘する声が漏れた。

 「塩浜工業の名前が(新聞に)出ていて、びっくりした」。脇山町長は現金を返還したきっかけをこう振り返った。昨年12月、関西電力役員に金品を渡していた福井県高浜町の元助役が、福井県敦賀市の塩浜工業から毎月顧問料を受け取っていたという報道だった。

 初当選直後の18年7月、塩浜工業関係者から当選祝いの名目で受け取った現金。「いらないお金をもらったということを知られたくなかった」と脇山町長。内々に返金するため、現金受領の事実は当時、妻にしか打ち明けなかったという。

 現金の返還を依頼した知人とは、当選後に知り合ったと説明した。町内の開発やプロジェクトに関わる人物の一人で「町長に就任してから時間がなく、誰かに託すしかなかった。(知人は)いろいろな仕事をしていて、信頼に足る人物だと思った」と述べた。

 返金後、この知人から電話で連絡を受けたが、直後に亡くなったとされる。受取証などの書類はなく、確実に返金されたという証拠は会見では示せなかった。

 「疑惑がない原発立地自治体にも疑惑の目が向けられる」と、問題の大きさを表現した脇山町長。関係者の中には実際、原発利権を巡る不適切な動きの広がりを懸念する声もある。

 佐賀県内のある建設会社関係者は「原発関係を狙ってあちこちで(現金を)ばらまいてきたのかもしれないが、九州でもそんなことをやっていたのか」と驚き「18年7月というと(フィクサーといわれた)高浜町元助役は存命だったが、彼の指示だったのか、それとも会社の慣行になっていたのか」といぶかった。

 玄海町議の一人は「福井は原発が止まって仕事がないから、九州まで触手を伸ばしに来たのではないか」と推し量った。

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