12月初旬に富士町内で行われた代替交通の試験運行。4月からはジャンボタクシーなどが運行される=佐賀市富士町

 昭和自動車(唐津市)のバス路線再編に伴い、佐賀市富士町での代替交通手段となるコミュニティーバスの運行内容が22日決まった。公共交通が維持されることに高齢者やバス停が新設される地区の住民は安あん堵どする一方、予約制や乗り継ぎの煩わしさ、負担増への懸念の声が上がっている。

 中原地区の女性(88)は「1人暮らしだからバスは欠かせない。電話で事前予約が必要だが、慣れればどうってことない」。バス停が新設される麻那古地区の嘉村豪自治会長(65)は「高齢者が多いため、予約や乗り換えなどの使い方が浸透するまで、ある程度の時間はかかるだろう」としながらも「これまで通学する子どもたちは、近くのバス停まで4キロは歩かなければいけなかった。バスが集落まで入ってくるのは助かる」と評価した。

 約60年バスを利用してきた中原地区の吉原松美さん(79)は「予約制はやっぱり不便。往復の予約をしないといけないから、1時間前の予約は忘れてしまいそう」と不安を口にする。

 市街地に向かうために古湯地区で路線バスに乗り継ぐと、別に運賃が必要になる。佐賀北高に娘を通わせる関屋地区の恵良裕一郎さん(48)は「月1万円で済んでいた定期代に、コミュニティーバスの2千円分が負担増になる」と不満を漏らす。部活動で遅くなるため、帰りは乗り継ぎ便の時間が合わず、自宅から7キロ離れた古湯のバス停までほぼ毎日、迎えに行くことになる。「高校進学を機に町外に移住する家族もいる。若者に不便さを感じさせると過疎化がさらに進まないだろうか」と心配する。

 市企画政策課は「代替策がまとまったから終わりではない。利用状況を確認しながら半年をめどに運行内容を検討したい」と話した。

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